最後の一句 Posted on 2017年2月23日 by admin Related Post 字余りの和歌俳句 最後の一句 森鴎外 元文げんぶん三年十一月二十三日の事である。大阪おおさかで、船乗り業桂屋太郎兵衛かつらやたろべえというものを、木津川口きづがわぐちで三日間さらした上、斬罪ざんざいに処すると、高札こうさつに書いて立てられた。市中至る所太郎兵衛のうわさばかりしている中に、それを最も痛切に感ぜなくてはならぬ太郎兵衛の家族は、南組みなみぐみ堀江橋際ほりえばしぎわの家で、もう丸二年ほど、ほとんど全く世間との交通を絶って暮らしているのである。 ▶ 続きはこちら